2020.06.10

「老人ホーム」という選択肢も忘れないで!

「老人ホーム」という選択肢も忘れないで!

「最期まで自宅で生活したい」と親から言われると、「親の介護は最期まで自宅で家族がするべき」で、「施設=悪」という考えを持つ方もいるでしょう。ですが、できることならば早い段階から「老人ホーム」も介護の選択肢に加えて欲しいと考えています。

●ここでいう「老人ホーム」とは
・社会福祉法人や自治体が運営する公的で安価な「特別養護老人ホーム」
・民間企業が運営し金額に幅のある「有料老人ホーム」
・「施設入所」という点で、「グループホーム」「サービス付き高齢者住宅」「老人保健施設」「介護病療型医療施設」も選択肢に

●「老人ホーム」を選択肢に入れた方がよい理由
心に余裕があるうちに「老人ホーム」を見学したり、老人ホームの申し込みをすることは、「いざとなったら、老人ホームがある」と介護する人の心に余裕ができ、入居する前からそのメリットが得られます。その心の余裕こそが介護で「良好な親子(家族)関係」を保つことに大きく影響していくのです。

介護している家族が体調を崩すなどで、親の介護を「老人ホーム」に頼らざるを得なくなり、入居の判断を急に「子ども」が担わなければならないケースがあります。
そうなってから「老人ホーム」を探すと、施設の良し悪しが冷静に判断できず、後悔が残る選択をせざるを得ないことも少なくありません。

さらに緊急避難的に「親」を「老人ホーム」に入居させると、親は突然の環境変化に混乱し、子どもはそんな親の姿を見ることが辛くなり老人ホームから足が遠のき、結果的に親子関係が崩壊してしまいます。

順番が回ってきても必要なければ断ってもよいので、希望者が多数で待機期間が必要な「特別養護老人ホーム」は、入居基準の要介護3になった時点で申し込むことをおすすめします。

親に介護が必要になっても、介護する側の心の余裕や良好な親子関係を保つために「老人ホーム」という選択肢があるということを覚えておいて下さい。