2020.11.25

親に免許をスムーズに返納してもらうには

2020.11.25

親に免許をスムーズに返納してもらうには

高齢者が運転する車による痛ましい事故のニュースを目にするたびに、親の免許返納について、悩まれる方も多いのではないでしょうか。

●NGフレーズを言っていないか
「とにかく危ないから、運転はしないで!」

親自身も「自主返納しようか…」と葛藤していても、子どもから突然に現実を突きつけられるのは面白くないもの。つい意固地になり、家族関係が崩れてしまうこともあります。

●やわらかいフレーズで“声かけ”を!
「お父さん(お母さん)のことが、心配だから免許返納を一緒に考えてみない?」

免許返納をしたあとのサポート制度なども併せて伝えれば、こちらの意図が伝わります。サポート制度については、親が住んでいる地域の自治体の窓口に事前に問い合わせましょう。

●反論されたら
「身分証明書がなくなる」
→代わりとなるもの(身分証)を返納時に発行してもらえます。

一方で、認知症の疑い(すでに認知症)があっても、更新時の認知症のテストをクリアして、反論されるケースがあります。そんなときは、医療機関などを受診し、診断書を発行してもらい、医療機関から免許を更新するセンターに先回りをして現状を伝えてもらえることもあります。

●問題が起きていない段階から対策を
今は問題なく運転できていても、今後のことが心配なこともあるでしょう。そんな場合は…
・ドライブレコーダーを取り付ける
・アクセルとブレーキの踏み間違いを防止する機械を取り付ける
・自動ブレーキ対応の車種に変更
・車での通院が難しい場合、訪問診療に切り替える

●ドライブレコーダーでできること
・急発進や急ブレーキの記録を離れた場所でも知ることができる
・客観的な情報から親との話し合いができる
・安全に運転できるうちは、安心して見守ることができる

●ドライブレコーダーの取り付けで気を付けたいこと
「事故やあおり運転などに遭ったとき、有力な手掛かりになるから」といった「親を心配している」という“声かけ”をしながら、取り付けることが受け入れられやすいです。「安全運転支援機能」付きや、画像を離れて暮らす子どもの携帯で見られるものがあります。保険会社が運営するサービスで、事故発生時にコールセンターから家族へ知らせたり、録画した運転レポートを家族で共有できるサポートもあります。

●最後は親の選択に任せる
「危険だ」と何でも取り上げてしまうことは、生活の自立を奪うことにも繋がります。一方で、追い込まれるまで放っておくと、最終的には強引に返納せざるを得なくなります。そうなる前に、親が「自主返納」を選択してもらえるような、働きかけをしてみてください。