2021.01.20

親のこれからをきょうだい、親族で話し合う方法

2021.01.20

親のこれからをきょうだい、親族で話し合う方法

 新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、なかなか帰省できず、親への心配を募らせている方が多くいらっしゃいます。特に高齢者は閉じこもりがちになり、心身が弱っている方もいるようです。
そこで、コロナ禍で帰省ができないからこそ、きょうだいや親族と「親の最近の様子」について、情報収集や意見交換をしておくことをオススメします。

●子供に心配をかけたくない気持ちから、実態が伝わらないケース

Aさんの母親は認知症だが、父親が日常のサポートし、きょうだいが折を見て帰省して、両親の様子を見てきた。

父親が「感染が怖いから帰ってこなくていい」と繰り返すので、帰省は控えていた。

ところが、父親から「助けてほしい」と連絡が入る。急遽、仕事を調整して実家に駆けると、母も父もかなりやせていた。

父親は「肺に持病のある母がコロナにかからないよう極力外出は控えて、2人でひきこもり生活を送っていた」という。

異変に気付いた近所に住む親族には「子どもたちには黙っておいてほしい」と口止めをしていた。

母親は緊急入院するも「家に帰りたい」と繰り返し、父親も「可哀そうだから、退院させてくれないか」と、Aさんに懇願。Aさんはきょうだいと「どうしたら…」と悩むが、答えが出せない。

●ご近所や親族から情報収集を
Aさんのケースのように、親が子供に心配かけまいと実態を伝えていないことが良くあります。
対応策としては、季節の挨拶とともに、親族やきょうだいに「親の生活で気づくことはないか?」と情報収集をしてみてください。近くに住むご近所さんと連絡が取れるようでしたら、それも有効です。

「この前電話した時にこんなこと言っていたな」
「スーパーで会ったときに疲れているように見えた」など、

ご近所さんから意外な情報収集ができ、Aさんのような状況となる前に、親の変化に気付くことができます。

●親族やきょうだいとの関係づくりで将来の衝突を防ぐ
 コロナ禍で、高齢の家族の生活を考える機会が増えている今が、きょうだい・親族と今後のことを話すことができる貴重な機会です。余裕のあるうちから、それぞれの考え方を知ることで、いざというときの衝突を防ぐことができます。

●話している中で親の変化に不安を感じたら
親の変化に不安を感じることがあれば、実はすぐにサポートが必要な状況が潜んでいる可能性があります。対応が後手になると、Aさんのように、解決策の見えない状況に陥ることも少なくありません。コロナ禍でも、安心して親を見守ることができる体制づくりをきょうだいや親族とともに進めてください。