2022.09.21

認知症の自宅介護が安定したからこそできる、施設入居への備え

2022.09.21

認知症の自宅介護が安定したからこそできる、施設入居への備え

介護体制が安定していても、特に認知症は症状が進行するため、いつ突発的な変化が起こるかわかりません。今回は、安定したからこそできる準備についてご紹介します。

●認知症介護が安定したら考えるべきこと
 認知症介護が安定してきたら、高齢者施設の利用を検討してください。「せっかく自宅での介護体制を整えたのに、なぜ?」と思うかもしれませんが、非常事態がいつ起こるかわかりませんし、本人の状態が急変するかもしれません。また、支える側の家族に何かあったときには、他に頼れる存在が必要です。そんなときに、高齢者施設を利用できるようにしておくと、イレギュラーな事態にも慌てず対処できます。

●まずはケアマネジャーに相談する
 高齢者施設の利用についてケアマネジャーに相談しましょう。「もし入居するとなったときに備えて、何をしておけば良いか?」という質問には、丁寧に答えてくれます。
何の準備もせず、突然入居となると「とりあえず空きがあったので…」という選択になりかねません。何を基準に施設を選択するのが良いのかなども、ケアマネジャーに相談するといいでしょう。
介護負担の軽減にショートスティ(短期宿泊)の定期利用も考えてください。自宅以外の生活に慣れることで、入居が必要となった場合にスムーズに生活を移行できます。

●認知症の方が入居できる施設
・グループホーム
・有料老人ホーム
・特別養護老人ホーム など

入居する本人にとって、どこが適切な場所なのかを判断するようにしましょう。

●入居施設を選ぶポイント
 入居施設を選ぶポイントとして、特に重要な点が2つあります。
1つ目は、職員の離職率が低いこと。離職率が低さで、長期間その施設で働いている人が多く、質の高い介護を受けられることが想定されます。離職率については、となりのかいごのホームページにある「よりよい老人ホームの選び方5か状」をご参照ください。

 2つ目は、看取りケアを行っているか。看取りケアは、施設の介護体制が整っていないとできません。時間や手間がかかる割に、利益にはつながらないからです。利益だけを追求している施設では実施していないことが多いのです。また、家族とのやり取りや信頼関係の構築が必要となるため、看取りケアを行っている施設は信用性が高いといえます。

●自宅介護が安定したときこそ、次の準備を!
 本人や家族の状況に変化があった状況で、適切な施設選びをするのは非常に困難です。事前にケアマネジャーや周囲と協力して入居が必要となった場合を考えておくと、スムーズに事を運ぶことができます。さらに、日々の介護でも精神的な安定となり、最期まで自宅で過ごすことにもつながります。