2020.07.08
知っていますか?病院にいる相談役“医療ソーシャルワーカー”
2020.07.08
もし、家族が救急搬送される事態になったら、突然のことで驚かれるとは思いますが、ここで大切なのは、できるだけ早いタイミングで院内にいる【医療ソーシャルワーカー】へ、退院後のことを相談に行くことです。
●“医療ソーシャルワーカー”って?
“医療ソーシャルワーカー”は、社会福祉士や精神保健福祉士という国家資格を持っており、退院後の生活の相談に乗ってくれる専門職です。私が企業に出張しての介護相談をする中で、その認知度の低さに驚くのですが、入院ベッドのある病院には、基本的には医療ソーシャルワーカーと呼ばれる人やその役割を果たす人が配置されています。
●こちらから動かないと接点が持てない!?
医療ソーシャルワーカーの業務は、抱えている問題が多い患者さんへの対応が優先されがちです。また、医療ソーシャルワーカーの人員不足もあり、見舞いに行っていても出会えないことが少なくありません。そこで、こちらから積極的に医療ソーシャルワーカーへ相談に行っていただきたいのです。看護師さんに聞いてみたり、病院のホームページで問い合わせ方法を知ることができます。
●接点を持たないまま退院してしまうと…
入院した大切な家族からの「早く家に帰してくれ」という言葉に気持ちを痛めた結果、介護保険などの福祉制度による外部サポートを知る機会もないままに退院し、日常的な介護を家族だけで抱え込み、最悪の場合は介護離職をせざるを得なくなってしまうかもしれません。
●相談するメリット
医療ソーシャルワーカーに相談することで
・ 介護保険、障害者手帳などの申請のアドバイス
・ 自宅生活をする際の介護サービス(デイサービス、ホームヘルパー、福祉用具レンタルなど)の利用検討
・ リハビリ病院や老人ホームの選択肢の提案
などの支援を受けることができます
●医療ソーシャルワーカーとの付き合い方
相談をする中で、医療ソーシャルワーカーにスキル不足などを感じたら、家族が住む地域の「地域包括支援センター」に、その旨も含めて相談してください。
また医療ソーシャルワーカーに、自分以外の家族が「うちは大丈夫です」と返答してしまうケースがあります(特に、同居していた配偶者の方が言いがちです)。そこはもう一度、家族で話し合い、「本当に大丈夫なのか」ということを客観的に考えてみてください。
大切な家族が病院に入院することになってしまっても、医療ソーシャルワーカーに相談することで、その家族にとってよりよい生活環境について冷静に考えることができます。入院した家族が退院後によりよい環境で過ごすため、医療ソーシャルワーカーを通じて次にサポートしてくれる人たちにしっかり繋げてもらいましょう。