2021.03.10

周囲の若者ケアラーに気づいたら

2021.03.10

周囲の若者ケアラーに気づいたら

 家族の介護をしている15~29歳の若者は、約17万7,600人に上ると推計されております(総務省「就業構造基本調査」)。あなたの周りにも、若くして家族の世話をしている方がいるかもしれません。彼ら彼女らのような存在は「若者ケアラー(18歳~30代)」や「ヤングケアラー(18歳未満)」と呼ばれており、新聞紙面などで報道されることが多くなってきました。

●「若者ケアラー」は孤立しやすい
 企業における個別相談で「若者ケアラー」からの相談をお受けすると、口を揃えて「誰にも家族を世話していることを話したことがありません」と話す方がほとんどです。周りになかなか話ができない理由を「友人に家族の世話の話をしたら白けそう」「話してもわかってもらえないのでは?」だといい、一人で抱え込みがちです。

●「若者ケアラー」だから解決に至ることも
 一方で柔軟な考え方ができる「若者ケアラー」だからこそ、周囲のサポートを受け前向きな気持ちになることができます。若いからこそ、インターネットなどを活用しながら、その行動力でサービスを調整・活用しながら、迅速に解決に向かうことが少なくありません。若くして家族の介護のために、大切なキャリアを手放して、生涯に渡って大きな影響を及ぼさないためにも、彼らには周りの方々による理解と協力が必要なのです。

●介護経験や知識がなくてもサポートする方法 
「実は、介護をしている若い部下がいるが、自分は介護経験や知識がなく、どうしたらいいかわからない」との相談も少なくありません。あなたに経験や知識がなくても、下記の2つの方法で、彼らのサポートすることができます。

1.具体的なアドバイスはせず、「大変なんだね、話なら聞くよ。」と話をひたすらに聞く
→当事者は人に話すだけでストレスが緩和され、頭の中や気持ちの整理もできる

2.「プロに相談を利用してみては」と伝える
→地域包括支援センターやケアマネジャーなど、介護のプロへの相談を促しましょう。あなたが、匿名でもいいので彼らの要介護の家族が住む「地域包括支援センター」(※「地域包括支援センター<スペース>町名までを含む該当する住所」)に電話で相談して、対応してもらうことも可能です。

このような「若者ケアラー」の話を聞く経験は、彼らを救うだけでなく、ご自身が家族の介護を目の当たりにしたときに、かなり役立つはずです。