2021.03.31

高齢の親戚から不審な電話が繰り返されたら、どう対処するべきか?

2021.03.31

高齢の親戚から不審な電話が繰り返されたら、どう対処するべきか?

 企業の個別相談で、次のような相談を受けました。

ある日、高齢の親戚から深夜に「〇〇という商品を注文したいのですが」という電話がありました。どうやら、テレビショッピングを見ていたようです。また「もうすぐ〇〇君の誕生日よね」と、子どもの受験を応援する電話が何度もかかってきたそうです。そこで、同居する息子さん(相談者の従妹)にこの件をメールで伝えると「迷惑を掛けてごめんね」と返信がありました。介護経験のある相談者は「何かあれば協力するよ」と返信しましたが、その後音信不通に。なぜ、音信不通になってしまうのでしょうか。

●実は日々の介護で手一杯
日々、目の前で起こることへの対処で精一杯となり、助けを求めるエネルギーがなくなっていることが考えられます。「大変なら助けを求めればいいのに…」と考えがちですが、当事者はそのような気持ちになれないのです。「介護保険の申請をしてみたら?」「ヘルパーさんに任せて自分の時間を持った方いいよ」というアドバイスも「実情を知らないクセに」「申請をしている暇がない」「本人が拒否している」など、否定的に受け取って返事をしない(できない)ことが少なくありません。

●相談者が取るべき行動とは?
 相談者は「金銭トラブルに巻き込まれたら大変だ」と、少し脅すような説得をするべきでは?と考えていました。しかし、これは逆効果で、より周囲との連絡を避け、孤立を促進させることになってしまいます。
 まず、同居していない家族に連絡を取ってみましょう。「実は介護で仕事を辞めていて、心配していた」などの情報を得られるかもしれません。
そして、親戚が住む地域の“地域包括支援センター”に相談してみましょう。インターネットで「親戚の住む住所<スペース>地域包括支援センター」で検索をすれば、高齢者のよろず相談所で公的機関の“地域包括支援センター”の連絡先を調べることができます。匿名による電話相談も可能で、自分が知る情報を伝えてください。センターの職員が緊急度合いを判断して、自宅訪問などの支援方法を検討してくれます。

●無理に説得せず、本人たちのSOSを待たず、外部のサポートにつなげる
 相談者のように異変に気付いたら、周りが早い段階から地域包括支援センターに情報提供することで、よりスムーズにサポート体制を築くことができます。