2021.07.08

テレワークが仕事と介護の両立に有効“ではない!”ワケとは?

2021.07.08

テレワークが仕事と介護の両立に有効“ではない!”ワケとは?

●テレワークと介護は相性が悪い!?
 以前にもお伝えしましたが、コロナ禍が長引く中、出社制限によってテレワークをしている方、家族介護のためにテレワークを積極活用される方が増えています。コロナ前から「仕事と介護の両立にテレワークは有効」と考えられてきましたが、改めて、介護とテレワークの相性の悪さをお伝えしようと思います。

●テレワークが家族介護に与える影響とは
 会社からの出勤制限でテレワークを余儀なくされている方の中には、介護サービスの利用を自粛して自らが介護をしたり、「テレワークになったから、何かあったら気軽に電話して」と親に伝えている方が少なくありません。しかし、いつまで続くか分からない介護とテレワークを両立するには、個々人が意識的に介護との距離を縮め過ぎないような意識付けが必要です。恒常的に要介護の家族に関わる形でテレワークを活用してしまうと、介護をする側も、される側も、デメリットが大きいと考えています。
中にはテレワークがきっかけで、親の依存を引き出して仕事に集中できなくなり、介護離職を選択された方もいらっしゃいます。

●調査結果からも介護テレワーカーの不安が明らかに!
 5/26付の東京新聞に『介護とテレワーク 難しい両立 負担感と不安増し疲弊 職場は孤立させない配慮を』という記事が掲載されました。この記事にある調査結果から、“介護しながらのテレワーカー”たちは次のような不安をより強く抱えていることがわかりました。

・上司から公平・公正に評価してもらえるか
・仕事を頼みにくいと思われていないか
・将来の昇進や昇格に影響がないか
・上司や同僚から仕事をさぼっていると思われてないか

●「家族介護のためのテレワーク」が有効なケースもある
・重要な病状説明がある際の病院の付き添い
・ケアに関わる人たちとの担当者会議(ケアカンファレンス)への参加
・末期ガンなどの余命宣告を受けた家族の看取り
・デイサービスやショートスティなど、新たな介護サービス利用時の拒否に備えた自宅待機
※定期受診については、自費ヘルパーを活用したり、訪問診療に切り替えたりすることで、家族付き添いの頻度を減らすことができます。

「この機会にテレワークをして親の生活を見守っていこう」と生活を切り替えたことで、家族内で介護を抱え込んでしまわぬよう、どうかお気を付けていただければと思います。