2021.09.22

ワクチン接種後の久々の帰省で、親に変化に気づいたら…

2021.09.22

ワクチン接種後の久々の帰省で、親に変化に気づいたら…

 新型コロナウイルスのワクチンの接種後、久々に実家に帰省してみたところ、親の心身の変化が気になった方もいらっしゃるかもしれません。

●久々に会った親の心身の変化を、見逃してはいけないケース
 親の心身に変化を感じても、親自身は「まだ大丈夫だから!」と繰り返す中で、子どもとしても「きっと大丈夫だろう」と正常性バイアスが働き、変化に気づかないフリをしていると、数か月後に
・徘徊しているところを警察に保護された
・実家がゴミ屋敷となり、近所から苦情が来る
など、大変なといった事態に発展することもあります。

親が介護の入口に立っているのか、まだ見守るべきなのか、を下記のチェックリストで確認することができます。青い欄に3つ以上チェックが入った場合は、地域包括支援センターに電話相談をするべきタイミングです。(地域包括支援センターは、インターネットで「親の住んでいる住所<スペース>地域包括支援センター」で検索を)

「家族の不安解消!チェックリスト」はこちらからダウンロード

●久々に会った親の心身の変化に、過剰反応し過ぎてはいけないケース
 親の心身の変化に、過剰反応し過ぎて、一家共倒れになることがもあります。
たとえば
・不安定な歩き方をしている
・同じ話を繰り返している
・昼も夜も同じ服を着ている
といった、親の生活不安を解消するために、コロナ禍で推奨されているテレワークを利用して、実家で親の世話をしようと考える方がいます。ただ、テレワークが親の介護環境にプラスとなっているケースは、私の知る限り殆どありません。

なぜ、親の介護にテレワークがプラスにならないのでしょうか?
・距離が近くなり過ぎて、親子関係が悪化する
・外部のサービスを取り入れる大事なタイミング貴重な機会を逃す
・何でもやってしまう“やりすぎ介護”になる
・子どもについ甘えてしまい、自分でできることが減ってしまう
・支える側が倒れ、無理やりに施設へ入居させることになる
 つまり、状態的にテレワークを活用して介護をすることは、むしろ、仕事と介護の両立もが困難な環境となり、介護を受ける側にとってもマイナスな影響を及ぼします。まずは、外部のサポートを上手に利用して、程よい距離を保ち、良好な親子関係を維持できる介護体制の構築を考えましょう。介護が必要な親と同居している場合は、自宅でのワークスペースをしっかり確保いただければと思いますする必要があります。

●まず相談することが最初の一歩
親の心身の変化を「見逃してはいけない」のか、「過剰に反応し過ぎている」のか、家族だけで冷静に判断することは本当に難しいことです。まずは、地域包括支援センターなどのプロに相談をしていただければと思います。