2021.12.01

「いざとなったら老人ホーム」が難しい理由

「いざとなったら老人ホーム」が難しい理由

●「まずは家族で頑張ってから考える」ではダメなのか?
「できる限り自宅で介護して、いざとなったら老人ホーム」と考える方が多いようです。しかし、介護で手一杯になると「いざとなったら」を見極める心の余裕がなくなり、介護する側が先に倒れて、緊急入居・入院となるケースをたくさん見てきました。
要介護度に関わらず、早い段階から「老人ホーム」の見学や申し込みをすることで、介護する人の心に余裕を作り、良好な親子関係を保つことにつながります。希望者が多数で待機期間が必要な「特別養護老人ホーム」は、入居基準の要介護3になった時点で申し込むことをおすすめしています。

●「老人ホーム」入所の検討はプロと一緒に
老人ホームの入所も、客観的に家族介護を見続けてきたケアマネジャーと一緒に考えていきましょう。「親を老人ホームに入所させていいの?」といった悩みなどをケアマネジャーにぶつけてみることも、お互いの信頼関係づくりに繋がります。また、介護サービスの組み換えやご家族の介護に対する考え方次第では、在宅介護を継続できる場合があります。

●老人ホーム入所の前にするべきこと
入居後の生活を穏やかにするために、他人のサポートを受けて生活する日々に慣れる必要があります。様々なプロに関わってもらう中で「どんな環境だと穏やかなのか?」ということを考えることができます。
「親が何を望んでいるのか」を中心に考えることで、社会的な体裁ではなく、本当の意味で親にとって良い選択は何か考える大きなヒントになります。あなたが抱く親のイメージと「親の望み」が必ずしも一致しているとは限りません。「自分は〇〇を大切に生活したいけど、父さんは?」といった対話や、ケアマネジャーなどの客観的視点を借りて深堀することが重要です。

●よりよい老人ホームを選ぶ方法とは?
「もう在宅介護は限界だ!」となってからでは、人気がある老人ホームと出会うのは難しくなります。コロナ禍で見学に制限があっても、相談員としっかり話をして、情報収集をしましょう。焦って、すぐに入所できる老人ホームを選ぶと、「思った以上に利用料が高額だった」「フロアに職員がほとんどいない」など入居後のトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。実際に老人ホーム選びをする際には、私が個別相談などでご家族と一緒に老人ホームを探してきた経験より作成した“よりよい老人ホーム選びの5カ条”を参考にしてください。

【よりよい老人ホーム選びの5カ条】