2023.03.29

介護の全体像をイメージして冷静さを保ち続ける

2023.03.29

介護の全体像をイメージして冷静さを保ち続ける

 家族に介護が必要になったとき、その時々の変化や必要な心構え、対処方法などを4つのフェーズに分けてお伝えします。

●第1フェーズ/要介護状態が発覚
【介護保険申請、ケアマネジャー選びなど】

親の介護に直接関わることが親孝行と考える傾向があります。しかし、介護をスタートする前から心に留めておきたいのは、今の生活スタイルをできる限り変えずに、直接介護ではないマネジメントに徹するかということ。仕事を辞めたり、同居を考える必要はありません。

ケアマネジャーや病院のソーシャルワーカーに、自身と介護が必要な家族の現状を伝え、この先どんなことが予想されるかなどを話し合い、まずは冷静になることです。

※第1フェーズの家族に介護が必要になる前にできるこ
【「地域包括支援センター」へ相談】

家族の生活に心配や不安がある段階からできる事前準備があります。介護が必要になる方がお住まいの地域にある高齢者のよろず相談窓口「地域包括支援センター」へ相談してみましょう。家族だけで相談することも可能です。地域で名称が異なるため各自治体に問い合わせるかホームページで検索してみてください。親が元気なうちから事前に情報を伝えることで、もしもの場合のスムーズな対応につながります。

●第2フェーズ/日常生活の一部に手助けが必要
【状況に応じメンテナンス、ケアマネジャーとの信頼構築】

たとえば、デイサービスの利用拒否をケアマネジャーとのコミュニケーションにより上手く利用につなげることが可能です。介護される本人も変化を受け入れるのに時間が必要なため、状況に応じてケアマネジャーと連携をとって対応していくことが第2フェーズの要となります。家族は介護に関わる、ケアマネジャー、デイケア・デイサービスのスタッフとの信頼関係構築を目指しましょう。

●第3フェーズ/日常生活の一部に手助けが必要
 【状況に応じメンテナンス、老人ホーム探し・入所】

新しい変化が起きるたびに、ケアマネジャーと話し合いを重ね、施設入所の検討なども含めて介護体制の安定を目指すことが重要です。

●第4フェーズ/食事量の急低下、血圧低下、呼吸苦、継続的な高熱
【看取り体制の構築】

 最後の日まで、サービスの利用を止めることなく過ごしましょう。聴覚は最後まで機能し続けると言われています。今までと変わらない生活を心がけて、本人の好きな音楽を流したり、家族にしかできない言葉を交わしたりすることで、穏やかな最期の時間を過ごすことが出来ます。

●冷静を保ち続けることの大切さ
 介護状況の全体を俯瞰して見ることで、冷静さを保ち続けて介護の準備をすることができます。安定した介護を続けるには、起こる変化に余裕をもって対応していくことです。介護に正しさや答えを求めるのではなく、それぞれの家族が「本人のために」と考えた選択がベストなのではないでしょうか。