2024.03.20

介護保険制度で受けられる介護サービスについて

2024.03.20

介護保険制度で受けられる介護サービスについて

 介護保険制度では、介護が必要と認定されれば、1割〜3割程度の自己負担で以下のようなサービスを受けることができます。

①プロが訪問する
●訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパーが自宅を訪問して、身体介護や生活支援を行う。デイサービスの送り出し・帰宅時の手伝いにも利用できる。

●訪問看護
看護師・保健師などが主治医の指示のもと、自宅を訪問して症状のチェック、床ずれの処置、経管栄養のチューブなどの管理、入浴、食事介助などの身体介護、リハビリ、ターミナルケアを行い、療養生活を支援するサービス。

●訪問リハビリテーション
症状が安定していて、医師がリハビリの必要性を認めた場合、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問して、日常生活動作の訓練や、摂食嚥下訓練、介助方法の指導などが受けられる。

②通って利用する
●通所介護(デイサービス)
車での送迎付きでデイサービスセンターに通い、健康チェック、食事の入浴・レクリエーションや趣味の活動などのサービスが受けられる。寝たきりの重度の要介護の人、がん末期などの重度の病気を患う人、若年性認知症の人に対応したサービスを行う施設もある。

●通所リハビリテーション(デイケア)
車での送迎付きで医療機関のデイケアセンターに通って、食事や入浴などの身体介護・理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリ・レクリエーションなどが受けられる。デイサービスと比べて、リハビリが中心のため、機能向上をめざす人や医療的な観察が必要な人に向いている。

③自宅の設備を整える
●住宅改修費の支給、福祉用具レンタル・購入
手すりの設置や段差解消などの住宅改修を行う場合、20万円まで費用が支給される。杖、車いす、電動ベッド、入浴補助具などの福祉用具のレンタル・購入ができる。

④短期間入所する
●短期入所生活・療養介護(ショートステイ)
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの福祉施設に短期入所し、食事やリハビリなどが受けられる。冠婚葬祭や旅行などで介護ができない時や介護疲れを防ぐために定期的に利用することもできるが、入所期間は連続30日が上限。1〜2ヵ月前に予約をしないと利用できない施設が多い。

⑤通い、訪問、泊まりを組み合わせる
●小規模多機能型居宅介護
通所介護(デイサービス)、訪問介護(ホームヘルプサービス)、ショートステイが一体になった施設サービス。利用者は1つの事業所に登録し、通所を中心に訪問や宿泊を状態や希望に応じて組み合わせ、入浴・排泄・食事などの介護や機能訓練を受けられる。ケアマネジャーは小規模多機能に所属している方が担当するルールがある。

⑥介護施設に入所する
●特別養護老人ホーム(特養)
生活全般で常時介護が必要な人が入所し「終の棲家」となることが多い。待機者多数のため入所まで数年待つこともあるが、重度介護など至急入所が必要と判断された場合などは、数週間で入居となることもある。部屋は個室が増えてきており、入浴・排泄・食事などの介護、日常生活上の機能訓練、健康管理および療養上のサービスが提供される。

●介護老人保健施設(老健)
病院と自宅をつなぐリハビリ施設。医療ケアと生活サービスを合わせて提供。在宅復帰をめざし、数週間から数カ月入所しリハビリを行う。特養に比べ、医師や看護師・リハビリスタッフが多く配置され、利用料金が特養より多少高くなることが多い。

●介護療養型病床
慢性的に医療のサポートが必要な方が対象。医師や看護師と同時に介護職も配置され、療養上の管理、看護、医学的管理下での介護や機能回復訓練などの医療を行う施設。

●有料老人ホーム
主に民間企業が運営し、自立した高齢者から重度要介護高齢者まで、入居の対象が幅広い。多くは月額料金と入居一時金が必要だが、入居一時金がかからないホームもある。

●サービス付き高齢者住宅
バリアフリーの賃貸住宅で安否確認と生活相談を提供する施設で、ヘルパーステーション、デイサービスなどを併設。介護が必要となっても入居し続けられる施設も多い。

●グループホーム
認知症高齢者が少人数で共同生活を送りながら認知症ケアを受けるホーム。大半が定員9〜18名の小規模で、看取りケアを行うホームも増えてきている。

≪介護サービスを使う上での心構え≫
サービスを使う上で一番大切なことは、「要介護者の自立を支援するために、受ける本人にとってより良いサービスを選ぶ」ということ。そのために家族は、ケアプランを作成するケアマネジャーへ介護を受ける家族の現状、本人の希望、身体的な事に加えて、性格や趣味、人となりなどを伝えることです。介護に関わる家族の悩みを伝えることも積極的に行ってください。ケアマネジャーとの信頼関係は、家族の良好な関係を保つことにもつながり、ひいては要介護者にとってより良いサービスを受けることにも繋がります。